対人ゲームは50%しか勝てないことって、趣味として厳しくない?

何かが上達していくときは、「成功体験多め、失敗体験少し」になるのが丁度いいバランスだと思います。「大体はできるようになってきた」という手応え、成功体験の積み重ねでモチベーションを保ち、たまに失敗や難しめの課題を通して学ぶという感じです。
成功多め、失敗はたまに、というバランスが、多くの人にとって続けやすいのではないでしょうか。
しかし将棋のように、二人対戦ゲームの対人戦をやり続ける限りは、このバランスには決してなりません。
原理的に適切にマッチングされ続ければ、勝率は50%に近づいていくからです。
50%の成功体験=勝利ではつらい
50%の確率でしか勝利できないというのは、将棋に限らず、対人ゲームが構造的に持つ弱点だと思っています。
一人用ゲームやCPUとの対戦であれば、ゲームの難易度を調整することで勝率は上げられますが、対人戦前提ならそうはいきません。
1勝1敗ペースでも、人は損失の方がよりストレスや印象に残るものですし、連敗を喫することも珍しくありません。
これでも楽しく続けられる人はいるでしょうが、強くなる前に「自分には向いていない」、「負けがしんどくて趣味にしたくない」と感じてやめてしまう人も多そうです。
これは根性の問題というより、人間の性質、成功/失敗のバランス配分の問題なのではないかと思います。
成功体験は、自分で足す
だから対人ゲームを続けていくには、気分良く楽しむためにも、効率よく上達するためにも、対人戦の勝ち以外のところで、成功を作る工夫が重要なのではないかと思います。
例えば将棋の場合だと、
自分が解ける範囲で簡単な詰将棋や次の一手問題を解く。
自分より少し弱いAIと戦う。
対局のときも、勝敗とは別に目標を作っておく。
序盤を失敗せずに乗り切ればOK
終盤で一手詰に気付いて、受けの手を選ぶことができた
駒を、タダ取りされなかった(このくらいでもいいと思います。)
負けた対局でも、決めた目標を達成できていれば、そこは成功として捉えればいいと思います。(私自身も、格上に負けても終盤まで互角を維持して食らいつくことができればそれは成功だと考えて将棋を指しています。)
成功体験を自分の中で意識的に増やすようにしておく、ということを知っているだけでも、少し対人ゲームが続けやすくなるのではないかと思います。
余談:ギャンブルはもっと勝率が低いのになぜ続けるのか
少し脱線しますが、本文を書く中で、多くのギャンブルはもっと勝率が低いのに、なぜ続けられるのだろうと考えました。
もちろん、大きな当たりへの期待や演出など、いろいろな理由はあるだろうと思います。全員に当てはまるわけではないと思っていますが、以下の理由があるかなと思っています。
ギャンブルは、成功経験を積んで上達するというよりも、「勝ちの圧倒的な気持ちよさ」の体験が主目的になっている。
運の要素が大きいので、負けても自分の実力だけが原因だとは感じにくい。
一方で、将棋のような完全実力ゲームでは、負けがそのまま「自分が相手より弱かった」という結果を突きつけられることになります。そして、上達したい、うまくプレイしたいという気持ちが強いほど、敗北を自分の能力への評価として受け取りやすいものです。
趣味で将棋のような実力ゲームをやる上で、モチベーションの工夫は想像以上に難しく、重要なものなのかもしれません。


