思考ゲームの話題や日々の考察を記録する雑記帳

才羽のザッキログ

将棋

将棋の泥沼・スランプは、本当に棋力低下なのか

青空に浮かぶ白い雲
目次
  1. 9割の力が出ていても、めちゃくちゃ負けます
  2. 久しぶりに指した時の私の体感
  3. 3切れは、棋力より「馴染み具合」を測っている
  4. 相手は「ずっと指している人」かもしれない
  5. 相性だけでも、やたら勝ちにくい時も
  6. まとめ!
  7. 私の本の宣伝

私は将棋ウォーズで、一応四段ということになっています。

「一応」と書いたのには理由があります。いつでも四段らしい将棋が指せる、という意味ではまったくないからです。

四段というのは、かなり熱心に指していた時期に、空き時間をほとんど将棋につぎ込んで、どうにか届いた数字です。要するに、自己ベストに近い棋力です。

しばらくサボってから久しぶりに指すと、表示は四段のままなのに、ひどいミスをして完敗することがあります。「さっきの手はひどかったな…」とがっかりすることもよくあります。


しかし、数局負けたくらいで「自分は弱くなった」「スランプだ」と結論を出すのは間違っています。

段位表示は全盛期の段・級のままで固定されていても、その日に盤上へ出せる力はけっこう変動するものです。また、将棋は、ちょっとした実力差や不調が、対局結果にはっきり出やすいゲームです。

本記事では、そういった話を掘り下げていきます。

9割の力が出ていても、めちゃくちゃ負けます

例えば、自分と相手が普段ほぼ互角の実力だとします。
ただし、その日の自分は少し不調で、いつもの9割くらいしか力が出ていなかったとしましょう。

「9割なら、そこまで変わらないのでは」と思うかもしれません。
でも、将棋ではこのくらいの差でも結果にはかなり大きく出ます。

互角の相手との将棋というのはかなり紙一重です。そこに少しでも実力差ができれば、その差はそのまま勝敗にはっきり結びつきます。

しかも将棋では、麻雀やカードゲームと違って、運に助けられて勝つという要素がありません。

結果として、ほんの少し読みの精度が下がっている、ほんの少し感覚が鈍っている、ほんの少し集中できていない、といった差でも結果だけ見ると3連敗、4連敗するといったことが将棋では起こり得るのです。

久しぶりに指した時の私の体感

私自身、実際にしばらく将棋から離れてから対局をすると、少し弱くなっていることは実感します。

面白いのは、将棋の手筋や序盤を忘れるわけではありませんし、大体は同じように指せそうな感じはすることです。
しかし、以下の様な地味な不調は対局中に感じます。

  • 以前はすぐ見えた詰みが、見えるまで数秒余計にかかる

  • 予想できたはずの相手の攻め手が読みから抜けることがある

  • 覚えていたはずの序盤で一瞬迷ってしまう

どれも、急激に下手になったというほどの変化ではありません。

しかし、この「ほんの少し遅い」「ほんの少し曖昧」が、紙一重の勝負ではしっかり結果に出ます。

私の場合、体感では一段くらい弱くなったような将棋になることもあります。

3切れは、棋力より「馴染み具合」を測っている

特に不調やブランクの影響が出やすいのは、3分切れ負け、いわゆる3切れです。
3切れでは、じっくり考え直す時間がありません。

「この形は詰みそう」「ここはたぶん攻めたほうがいい」

といった感覚で指す割合がかなり大きくなります。

そして、こういう感覚や、瞬間的な判断はブランクがあるとはっきりと鈍ります。

実際、久しぶりに指した日に3切れではボロ負けしたのに、10分切れ負けならそこそこ指せる、ということもあります。

同じ日の同じコンディションで指しているのに、持ち時間を変えるだけで結果がかなり変わるわけです。


そう考えると、落ちているのは棋力そのものというより、反射で指せる速さや、将棋特有の感覚のほうなのだと思います。

つまり3切れは、純粋な棋力だけではなく、「今どれくらい将棋に馴染んでいるか」もかなり強く測っているゲームです。

久しぶりの人が3切れで勝てないのは、まあ当たり前とも思います。

相手は「ずっと指している人」かもしれない

自分が「久しぶりに一局だけ指すか」
と思ってアプリを開いたとしても、相手も久しぶりとは限りません。

昨日も今日も何局も指していて、将棋脳が完全に温まっている人かもしれません。
こちらは1局目で、向こうは今日の10局目かもしれません。

同じ段級位で当たっていても、実戦感覚まで含めれば、必ずしも同じ状態ではないのです。特に3切れでは、この差はかなり大きいと思います。

相性だけでも、やたら勝ちにくい時も

棋力とは別に、相手との相性もあります。

  • 無理気味でもどんどん攻めてくる相手が苦手

  • 積極的に角交換をしてくる相手が苦手

  • 嬉野流やアヒル囲いといった珍しい戦法をやってくる相手が苦手

などなどあるでしょう。

棋力では少し下の相手でも、苦手な棋風や戦法だと妙に勝ちにくいことがあります。
逆に、自分より少し強い相手でも、得意な展開になれば意外と指せることもあります。

苦手なタイプの対戦が続けば、実力が落ちていなくても、格下の段級位の相手に連敗することも十分にあり得ます。

このような相性まで重なると、数局の結果だけを見て自分の棋力を判断するのは、ますます難しいと言えるでしょう。

まとめ!

対局結果には、棋力そのものだけでなく、脳のコンディション、ブランク、持ち時間の使い方、実戦感覚、相手との相性など、いろいろなものが混ざって出てきます。

そして将棋は、互角の相手との勝負が紙一重で、運によるブレも少ないぶん、ほんの少しの不調でも結果にはかなり大きく表れます。

久しぶりに指した日の3切れで何連敗かしたからといって、それだけで棋力が大きく落ちた証拠にはなりません。

少し指し続ければ、また以前のように勝てるようにもなるでしょうし、連勝することも間違いなくできるはずです!


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