初心者に振り飛車をおすすめする気持ちがわかった

将棋

このあいだ、将棋をほとんどやったことがない友人が、私の書いた本を読んでくれたのをきっかけに、ぴよ将棋(対Lv.12 6級相当)をやって見せてくれました。
横でその様子を見ていて「初心者に将棋を教えるのって難しいな」と実感した話です。

私の本はこちら(kindle unlimited 対象です!)

※↓広告ブロック対策で表示されない場合のリンクです

脱初心者!将棋の考え方: 読むだけで1級分上達する思考とコツ 

Amazon.co.jp: 脱初心者!将棋の考え方: 読むだけで1級分上達する思考とコツ eBook : さいば: Kindleストア
Amazon.co.jp: 脱初心者!将棋の考え方: 読むだけで1級分上達する思考とコツ eBook : さいば: Kindleストア

居飛車の序盤、中盤はやさしくない

私も生粋の居飛車党で、友人も居飛車をやってみたいと言っていたので、居飛車の将棋を教えていました。

そして、最もアドバイスが難しいと感じたのが、序盤、中盤戦で相手の構えを見て適切な方針選択をするということですね。
とにかく相居飛車の序盤戦では、相手の方針のパターンが多いですし、棒銀や角交換の将棋への対処など、知らないと一気に潰されてしまうパターンがたくさんあります。

中盤は攻めるか守るかも難しいし、攻めるにしてもそれが成立するのか、どういう手順で攻めるのか、という難しい判断が何層にも絡み合っています。

自分としては、感覚に基づいた判断をすることも多く、初心者に納得できる形で伝えるのは非常に難しいと感じました。(そもそも、私も中盤は分からないことだらけです)

説明のしやすさ、納得のしやすさでは振り飛車

この点、振り飛車であれば、おすすめの手を示しやすく、説明もしやすいのかな、と感じました。

序中盤でやることに困ったら美濃囲い→高美濃囲い→銀冠のように発展させていけば、有効な手を積み上げられます。
また、「相手がこう動いてきたから、こうする」。というのように、相手の動きに対処する形で自分の手を決めていける、という点である意味の楽さがあると思いました。

振り飛車が採用する美濃囲い(と、その発展形)は、相居飛車で登場するほとんどの囲いよりも堅いですし、終盤で間違いなく威力を発揮します。
囲い崩しに慣れていない初心者帯の将棋であれば、美濃囲いの連結の良さや、銀冠の詰みにくさは、特に大きなアドバンテージになるはずです。

居飛車党としては、攻め倒す戦法や、乱戦の楽しさも経験してほしい、と感じるところではありますが、現実的に教えやすい、学んでいる方も納得感があるのは振り飛車なのかな、と感じました。

振り飛車ではとりあえず美濃囲いを作れば大体OKという感じですが、居飛車の場合はこれに相当するような、とりあえずこれをやっておけばいい、みたいなものが無いのが難しいところですね。

なので、将棋を教える場合に、教わる側の希望や性格も考慮しつつも、基本的には振り飛車をおすすめしたほうがいいのかな、と思いました。

居飛車はとりあえず棒銀から、について

初心者が覚えるべき居飛車戦法で、定番とされているのは棒銀戦法だと思います。
「やることがシンプル」、「狙いが分かりやすい」、「飛車と銀が協力して攻めるという基本が学べる」というのが理由だと思いますが、個人的にはあまりオススメしたく無いかなと思っています。

理由としては、

  • 相手が強くなれば単純に棒銀の攻めが成功する(棒銀で突破して龍ができる)ことはなくなります。棒銀を初心者向けに教える多くの本では、相手が受け損なった場合の成功パターンが書かれていますが、実際にはそのようにうまく行くことが少なく、困惑するのではないかと思っています。
  • 銀交換ができないパターンでは、棒銀の使いみちに苦労することになります。上級者の棒銀では、柔軟に中央に銀を戻して活用したりしますが、初心者の段階では棒銀が遊んでしまうケースが多くなると思っています。
  • 棒銀の攻めがシンプルすぎるので、人によっては、逆に将来の成長を阻害してしまうような気がしています。早繰り銀のように拠点を張って攻めたり、腰掛け銀のように桂馬とコンビネーションで攻めていくといった、本格的な攻めの手筋をなかなか身につけないままになってしまう人が多いような気がしています。

居飛車をやってみたいという初心者に、何をどう教えていくか、というのは今後の課題ですね。
この点は引き続き、考えてみたいなと思います。。。

コメント

タイトルとURLをコピーしました