将棋を始めたばかりの時、「どの戦法を学ぶべきなのか?」 「とにかく攻め方を学ばないと勝てないかな」
といったことを考えるのではないでしょうか?
もちろん、これらも強くなるために必要な要素です。
しかし、ほとんどの初心者が勝てない理由は、もっとシンプルな部分にあります。
もしあなたが初心者で、「なかなか勝てない」「すぐ不利になってしまう」と悩んでいるなら、大きな課題はたった一つだと思います。
それは「危機察知能力」です。
将棋は、華麗な好手でのプラスよりも、ミスでのマイナスの方がずっと影響が大きいものです。
よって、まずははっきりしたミスや危機に、確実に対応できることが最重要です!
「単純なミス」をなくすだけで初心者を脱出できる
「危機察知」と聞くと難しそうですが、とりあえず達成すべきステップは、たった二つの非常にシンプルなことだと思っています。
- 駒をタダで取られないこと
- 一手詰みに気づくこと
当たり前すぎると思われるかもしれませんが、初心者レベルの対局で勝負を決めるのは、このどちらか(あるいは両方)のはずです。
- 指す手を決めた後、自分の駒を動かす前に、「相手にタダで取られないかな?」と一呼吸おいてよく見てから指すこと。
- 相手の駒が自分の玉に近づいて来たら、もしくは、飛車や角の駒の利きが自分の玉の近くに来たら、相手の持ち駒も見たうえで、次の手で「いきなり王様を詰まされることはないかな?」と一度チェックしてみる。
この二つを徹底できるだけで、うっかりミスによる自滅が劇的に減ります。それだけでもう、「初心者」のレベルを抜け出し始めていると言えます。
相手の「狙い」に気づけば5級レベルまでは見える
この基本的なミスが減ってきたら、次のステップにも意識して挑戦していきましょう。
さらにステップアップした危機察知能力とは相手の「狙い」に気づく力です。
両取りなどの技がかかることに気づけるように
将棋で基本的かつ、頻出の駒の取り方は両取りです。
「このまま放置してると、角を打たれて飛車と金の両取りがかかるな」といった、複数の駒を同時に狙われる筋に事前に気づけるかどうかが重要です。
これに関しては、「手筋」を学んでいき、どんな形の両取りがかかるのか、どんな形が危険なのかを徐々に覚えていくといいと思っています。
簡単な「詰めろ」状態に気づけること
「詰めろ」とは、「次に防御しないと玉が詰みますよ」という状態のことです。
詰めろをかけられたら、攻めを一旦止めてでも、的確に受ける必要があります。これに気づけないと、優勢だったはずの将棋でも逆転を許してしまいます。
一口に詰めろといっても、いきなり長手数の詰み筋まで見えるようになるのは難しいので、一旦は、3手詰みが見えるようになることが目標かと思います。
もしくは、自玉が詰むかどうか分からないけど、かなり危険そうに見えるので防御の手を指そう、という選択ができるようになるだけでも有効だと思います。
これらの「相手の狙い」を事前に察知し、対処できるようになれば、それだけでもう将棋ウォーズや将棋クエストで言えば、5級以上の実力は十分にあると思います。
まとめ:まず「負けない力」を磨く
ここまで読んでお気づきかもしれませんが、話はすべて「攻め」ではなく「守り」についてです。
将棋はミスでのマイナスがとにかく影響が大きいため、初心者から有段者まで、負けない手を指すこそが勝利への近道です。
必ずしも、鋭い攻めや最善手を指せなくても、隙を作らず、自滅さえしなければ、簡単には負けません。守りが堅く、はっきりしたミスをしない相手を崩すのは、初段のプレイヤーにとっても大変なことです。
かえって、相手の方が攻めようと焦ってしまい、無理な攻めを仕掛けたり、ミスを犯しやすくなることもあります。
まずは派手な勝ち方を目指すより、「負けない指し方」を徹底する危機を察知し、守りを固め、相手のミスを待つこと。
これができれば、確実に対人で勝てるようになってくるはずです。
攻め方や戦法を学ぶことも大事ではありますが、まずはここを意識して対局してみてください!
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