筆者の実戦の中で、中々珍しそうな筋の詰み筋が出てきたので、紹介してみようと思います。
実戦詰将棋として自己評価してみると以下の感じ。
問題
筋の珍しさ:★★★★☆
筋の面白さ:★★★☆☆
芸術性:★★★★☆
難易度: 正確に読み切れたらアマ高段レベルだと思います。

※AI検討で検証しています。
詰みにつながる初手は1通りのみです。
↓↓↓↓以下、正解までしばらく空白。
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解答
筆者が面白いと思った初手は▲3一飛でした!
初手からの変化
2手目△同 金
▲3一飛に△同 金は、
▲5二桂成 △同 玉 ▲4三銀打 △6一玉 ▲5二金まで
▲3一飛と捨て駒をすることで、▲4三銀打が同金と取られないようになっているのがポイントです。

2手目△4一歩(香、桂)
▲3一飛に対して合駒はどうでしょうか。
▲3一飛に△4一歩は、 ▲5二桂成 △同 玉 ▲3二飛成 △4二香 ▲4三銀成 △6一玉 ▲5二金 まで

▲3一飛に歩ではなく、△4一香もしくは△4一桂も、5手目▲3二飛成が防げないため同じ詰み筋で詰みます。
2手目△4一金
2手目△4一金ですと、先ほどの歩、香、桂の合駒とは違う詰み筋が生じています。
▲3一飛に△4一金は、今度は飛車切りで詰みます。
▲同 飛成 △同 玉 ▲3二桂成 △同 玉※ ▲3一金
△4二玉 ▲4一金打まで
※△5一玉もありますが、並べ詰みで簡単です。

一段目に、尻と金、尻金、尻金と並んだ面白い詰み形ですね!
以上、最長手数は11手詰め。
初手の飛車捨てが中々見えにくい筋なのではないかと思いますし、その後も合駒の変化があり、読み切りが中々難しい問題なのではないかと思います。
改題(かなり難しい)
問題図の後手の持ち駒に銀と角があっても実は詰将棋として成立します。
この場合には、最長手数が17手詰めになり、かなり難易度の高い問題となるようで、筆者の棋力では到底無理です。
最初にこの局面から正確に詰みを読み切れたら、奨励会やプロ級では無いかと思います。

↓↓↓↓以下、正解までしばらく空白。
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改題の正解
先ほどの問題と同様に、初手は▲3一飛ですが、銀合、角合だと長手数になり、使う手筋も増えます。
先ほど見た、2手目 △4一金は飛車を切って尻金の筋で早く詰みましたが、銀合、角合ではこの筋が効かず、さらに後手の3二金に紐を付けているのでしぶといようです。
2手目 △4一銀
細かい変化は省略します。
▲3一飛 △4一銀 ▲5二桂成 △同 玉 ▲6三銀 △同 龍
▲4一飛成 △同 玉 ▲6三馬 △5二金 ▲5一金 △同 玉
▲6二銀 △4二玉 ▲5三銀成 △同 金 ▲4一飛 まで 17手詰め
5手目からの、▲6三銀 △同 龍 ▲4一飛成(下図) △同 玉 ▲6三馬 の流れは、銀捨て、飛車切りから馬で龍を回収する流れが実に上手いですね!
▲6三馬以下の合駒は、どれでもあまり難しい筋にはならないようです。


2手目 △4一角
概ね2手目 △4一銀と同じ筋です。
細かい変化は省略します。
▲3一飛 △4一角 ▲5二桂成 △同 玉 ▲6三銀 △同 龍
▲4一飛成 △同 玉 ▲6三馬 △5二飛 ▲5一金 △同 玉
▲6二角 △4一玉 ▲5一飛 △4二玉 ▲5二飛成 まで 17手詰め

以上、盲点に入りやすい初手、合駒の選択による詰み筋の変化、相手の龍を回収するアイディアと、難しいですが、中々見どころの多い問題だったかと思います。
楽しんで頂けたら幸いです!
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